エクオールは、大豆イソフラボンのダイゼインを腸内細菌がエサにすることで産生されるポリフェノールの一種です。エクオールの化学式は女性ホルモンのエストロゲンの化学式と似ているので、細胞のエストロゲン受容体にピタッとはまります。そのおかげで、エクオールには、女性ホルモンに似た働きをするエストロゲン様作用、エストロゲンが過剰な時にその作用を抑える抗エストロゲン作用、抗酸化作用などが認められています。
1984年、米国のSetchell博士らにより大豆イソフラボンが女性ホルモンのように働くという研究報告が発表されました。研究が進むことで大豆イソフラボンから腸内細菌が発酵して生まれる「エクオール」が発見され、更年期症状の改善や骨粗しょう症予防効果、女性のメタボ改善作用などさまざまな研究発表が報告されています。
40年の長い年月で重篤な副作用などの報告はありません。また女性ホルモンが過剰にある場合は抗エストロゲン作用によって、子宮内膜症や子宮筋腫、乳がんなどのリスクを軽減します。
ちなみにエクオールにはS体とR体があり、ヒトの腸内で産生されるエクオールはS体のみ。S体はヒトの体に有益に働くという研究がされています。ヒトの腸にすむ善玉菌(エクオール乳酸菌など15種類が発見されています)がエクオールを産生します。この善玉菌を使って大豆イソフラボンを発酵させたものだけが天然型S-エクオールになります。
この15種類の善玉菌がいない人もいます。日本人女性では2人1人がエクオールを作る善玉菌がいないと言われています。それでもアメリカやヨーロッパよりは多いのです。また、エクオールを作る菌がいる人でも、エクオールを体で働かせるためには大豆を毎日食べる必要があります。エクオール乳酸菌を取ったとしても、大豆を食べなければエクオールはできません。
その場合は、腸内細菌で大豆イソフラボンを発酵した、ヒトの腸内と同じS体のエクオールを直接摂取することが可能です。
<エクオールで改善がわかっていること>
ホットフラッシュ
首・肩こり
肌の乾燥
骨密度
悪玉コレステロール
糖代謝
血管のしなやかさ
手指の機能や痛み