「揚げ物やソーセージは油が多いので…」
「バターや生クリームは控えましょう」
……はいはい、どうせ「ダイエットのためでしょ?」って思いましたよね。
ちがいます。そこじゃないんです。
これは体重計とにらめっこするための話じゃなくて、
更年期に変わっていく体を守って、老けないための話なんです。
それは、①膵臓を守る、②血糖スパイラルを防ぐ、③代謝をゆるく底上げする、の3つ。
つまり、全身の炎症を防いで、ヘルシーでいるということなんです。
①膵臓って、けっこう大事な裏方なんです
膵臓は、食べ物を消化する消化酵素を出す臓器。
脂質を分解するのはリパーゼっていう酵素で、膵臓がせっせと作ってます。
で、揚げ物やソーセージやシュウマイなどの加工肉、クリームたっぷりスイーツを食べると、
このリパーゼを全力で出さなきゃいけない。
さらに糖質も一緒にとれば、血糖値を下げるインスリンまでフル稼働。このインスリンも膵臓が作ってます。
つまり膵臓は、
「脂を消化」+「血糖値コントロール」という二刀流を、ほぼ毎日やらされてる状態。
そりゃ疲れますよね。
②更年期は、インスリンの効きも落ちやすい
エストロゲンが減ると、インスリンの効き=インスリン感受性が下がることがわかっています。
同じ量の糖質でも血糖値が上がりやすくなって、
膵臓には「もっとインスリン出して!」という追加注文がどんどん届く。
そこに脂質の消化負担が重なると――
リパーゼもインスリンも全力生産モードになって、膵臓はヘトヘトに。
だんだん脂質が消化されづらく、血糖スパイラルが起こりやすくなっていきます。
②代謝も下がるから、脂質が「燃えにくい」
40代後半〜50代は、筋肉量が自然に減って基礎代謝も落ちます。
そうなると、脂質をエネルギーとして燃やす力も弱まって、
-
内臓脂肪がつきやすくなる
-
血中脂質(中性脂肪やLDL)が上がりやすくなる
-
昔と同じ食事でも太りやすくなる
「前と同じ生活なのに、なぜか体が重い」は、ほぼこのせいです。
脂質ゼロじゃなくて、膵臓が喜ぶ量と質に
脂質はホルモンや細胞膜を作る材料だから、ゼロにする必要なありません。
ただし、通常のお食事で充分に脂質が取れているので、「体にいい油だから」と言って、あえてプラスして摂る必要もないんです。
✔ 揚げ物・バター・生クリームは「たまの楽しみ」に
・毎日じゃなく、外食やイベント、ご褒美の日だけ。
✔ 選ぶ時は、良質な油
・加熱する時は、オリーブオイル
・そのまま使うときは、オリーブオイル、えごま油・アマニ油を。
✔ 「脂質+糖質」コンビは要注意
ケーキ・菓子パン・揚げパンは膵臓泣かせ。
✔ 発酵食品を一緒に
消化を助けて、血糖値もゆるやかに。
ダイエットじゃなく、ヘルシーエイジングのために
脂質を控える=痩せるため、っていうイメージが強いけど、
更年期の脂質調整は膵臓と代謝のメンテナンスのため。
結果として体重が減ることはあっても、
ゴールはそこじゃありません。
血液検査が若いままでいるため。
痩せるためじゃなく、「健康でいるため」。
数値が崩れていくなんてことがないようにするための第一歩です。
最後にひとこと。
脂質を少し控えめにするだけで、
消化も代謝もラクになって、結果的に「私なんか軽いかも?」って日が増える。
これ、更年期世代にはけっこう大事なことだと思うんです。
老けない=ヘルシーエイジングための脂質コントロール、始めてみませんか?